昔、首里のお侍さんがヤンバルへ向かう旅をしていました。
許田へ差しかかった頃、喉がかわいたので道中の人に井戸はないものかと尋ねたところ、樋川(ひかわ)という所に湧き水があることをおしえてもらいました。
お侍さんは喉の渇きを癒すため、急いでそこへ向かいます。
たどり着くと先客がいました、それはもう目を見張るような美しい娘が、水を汲んでいます。
お侍さんは娘に一目惚れをしたのでしょう。
きっかけを掴むように「娘さん、あなたのその美しい手で、私に水を飲ませてくれませんか」と話しかけます。
娘は顔を赤らめて断りました、しかし、お侍さんはあきらめません。
娘はしかたなく、手で湧き水をすくって、お侍さんに差し出しました。
そのあと世間話なんかをしたかもしれませんね、ですがお侍さんは用事の途中です。
その場は別れ、用事を済ませて首里に帰ります。
しかし結局、その娘のことが忘れられず、首里に呼んで結婚しました。
二人は仲が良く、幸せに暮らしたそうです。
(たいへん美しい娘さんでしたから、村の男達は残念がったかもしれませんね、泉の横の説明文には「村の人をなげかせた」とあります。)
その後、その結びの縁にあやかろうと、各地からたくさんの若い男女が許田を訪れていたそうです。
湧き水跡が現存しますので、もしあなたが良縁を求めている一人身なら、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
そこで、同じく良縁を願いにおとずれた人がいて、男性が「手水をのませてくれませんか」と話しかけ、女性が水をすくってくれたら、最高にロマンチックだと思うのですが・・・
現代っ子はお腹こわしちゃうかもしれませんねえ。